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報告書

東濃地科学センターにおける熱分解型元素分析装置/安定同位体比質量分析装置を用いた岩石試料等の水素と酸素の安定同位体比測定

山本 悠介*; 渡邊 隆広; 丹羽 正和; 島田 耕史

JAEA-Testing 2023-003, 67 Pages, 2024/02

JAEA-Testing-2023-003.pdf:4.63MB

東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、地質環境の長期安定性に関する研究を進めている。一般に将来の自然現象に伴う地質環境の変化の予測・評価は、自然現象に関する過去の記録や現在の状況に関する調査結果に基づき行われる。岩石試料等の水素及び酸素の安定同位体比($$delta$$D、$$delta$$$$^{18}$$O)は試料に含まれる水の供給源や混合過程等に関する情報が得られるため、過去に発生した自然現象を明らかにする上で重要な基礎データの一つとなる。東濃地科学センターでは、岩石試料等の$$delta$$D及び$$delta$$$$^{18}$$Oを把握するため熱分解型元素分析装置(TC-EA)及び安定同位体比質量分析装置(IRMS)を組み合わせたTC-EA/IRMSによる分析手法を整備した。本稿ではTC-EA/IRMSを用いた岩石試料等の$$delta$$D及び$$delta$$$$^{18}$$Oの分析手法を作業手順書として示すとともに、標準試料を用いた補正式の評価、標準試料の繰り返し測定による分析精度の評価及び岩石試料等を用いた試験測定結果の一例について報告する。

論文

二次イオン質量分析法を利用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する同位体組成分析法の発展と分析技術開発

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

放射化学, (48), p.1 - 15, 2023/09

二次イオン質量分析法は酸素などのイオンビームを試料に照射することで試料の構成元素から放出されたイオンを質量分析する手法である。この手法は僅かなイオンであっても高感度の計測が可能であり、極微量の元素の同位体比分析に広く用いられる。我々は高分解能を有する二次イオン質量分析装置を用いて、ウランを主とした核物質を含む微小粒子の同位体組成分析技術を開発するとともに、IAEAが原子力施設等の立ち入り査察で採取した試料に含まれるウラン粒子の同位体組成を日本のIAEAネットワーク分析所として分析し、その結果を報告している。本稿では、二次イオン質量分析法の解説と従来型の二次イオン質量分析装置から始まり、現在、主流となっている大型二次イオン質量分析装置が開発されるまでの二次イオン質量分析法を使用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する分析技術の発展について、我々が行った分析技術開発の成果を中心に述べる。

報告書

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」報告集

株本 裕史; 中川 創平; 松田 誠

JAEA-Conf 2022-002, 146 Pages, 2023/03

JAEA-Conf-2022-002.pdf:9.89MB

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」は、令和4(2022)年7月21日(木)$$sim$$22日(金)の2日間に亘り日本原子力研究開発機構原子力科学研究所により開催された。新型コロナウイルスの感染拡大防止の対応からオンライン形式とした。本研究会は、タンデム加速器を中心とした静電加速器施設を運営あるいは利用する研究者・技術者の現場レベルからの話題提供を通じて、参加者相互の情報交換を図り、関連研究の発展や施設管理に資することを目的として行われている。本研究会へは26の大学、研究機関および産業界から約100名の関係者が参加した。発表件数は25件で、各施設の現状報告や加速器の技術開発、応用研究等について報告が行われた。また、今回はオンライン開催のためにポスター発表は行わず、口頭発表のみとした。本報告集は、これらの発表内容をまとめたものである。

論文

塩素-36年代測定における同重体干渉抑制のためのイオンファネル反応セルの開発

神野 智史; 藤田 奈津子; 田沼 肇*

第23回AMSシンポジウム報告集, p.89 - 92, 2022/12

AMSにおいて、塩水系の地下水の年代測定に重要な塩素-36($$^{36}$$Cl)測定は妨害核種となる硫黄-36($$^{36}$$S)の影響により他の核種よりも測定が困難である。一般に$$^{36}$$Clと$$^{36}$$Sを分離するには、6MV以上の加速電圧が必要となる。そこで本研究は、イオンファネルを用いた反応セルを開発し、JAEA-AMS-TONO-5MVの低エネルギー側に組み込むことで目的核種の$$^{36}$$Clの妨害核種となる$$^{36}$$Sを選択的に抑制することを目的とする。

論文

地球科学分野における加速器質量分析を活用した研究の最前線

本多 真紀

Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan, 70(4), p.282 - 283, 2022/12

加速器質量分析(AMS)における計測技術と化学分離技術の発展によって、AMSで$$^{244}$$Pu (半減期8.1$$times$$10$$^{7}$$年)、$$^{60}$$Fe (半減期2.62$$times$$10$$^{6}$$年)、$$^{90}$$Sr (半減期28.9年)の高感度分析が可能になった。これによって、例えば海底堆積物の一種である鉄・マンガンクラスト中の$$^{244}$$Puを分析した研究では、これまでは核実験由来の$$^{244}$$Puに埋もれていた、太陽系外から飛来した$$^{244}$$Puの定量に成功した。更に、$$^{244}$$Puは中性子星合体などで生成されることを明らかにする等、重元素の起源となる天体サイト(生成場)の解明に繋がる研究成果を得た。本トピックスでは$$^{244}$$Pu,$$^{60}$$Fe,$$^{90}$$Srについて、AMSを活用した研究の最前線を紹介する。

論文

Challenging studies by accelerator mass spectrometry for the development of environmental radiology; Status report on the analysis of $$^{90}$$Sr and $$^{135}$$Cs by AMS

本多 真紀; Martschini, M.*; Wieser, A.*; Marchhart, O.*; Lachner, J.*; Priller, A.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 坂口 綾*

JAEA-Conf 2022-001, p.85 - 90, 2022/11

加速器質量分析(AMS)は、原子核実験で主に利用させれてきたタンデム加速器に質量分析を組み合わせた分析法である。AMSの測定対象は半減期が10$$^{3}$$-10$$^{8}$$年の放射性核種である。この程度の半減期の放射性核種に対しては、その放射能を測定するよりも、その質量を測定する手法の方が10$$^{3}$$-10$$^{6}$$倍の感度で測定可能である。この特徴を利用してAMSは地球惑星科学、原子力分野等の研究に幅広く適応されている。様々な研究の中でもWallner et al. (2021, 2016)は地球惑星科学の分野で優れた成果を得ている。彼らは環境試料に含まれる$$^{60}$$Feと$$^{244}$$Puの超高感度分析に成功した。これらは天体内で起こる中性子の連続捕獲(r-process)によって生成される放射性核種である。この他に、発表者らの最新の研究ではレーザーによる同重体分離とAMSとを組み合わせた新AMSシステム(ウィーン大学VERA)による環境試料中の$$^{90}$$Srと$$^{135}$$Csの超高感度分析に成功した。環境中の$$^{90}$$Sr測定手法としては娘核種$$^{90}$$Yのミルキングによる$$beta$$線測定が依然主力であるが、本成果によってAMSが実用的な新規分析法となることが示された。本発表では$$^{90}$$Srと$$^{135}$$Csを中心に超高感度分析の技術開発の現状を報告する。

論文

Measurement of fission-fragment mass distributions in the multinucleon transfer channels of the $$^{18}$$O+$$^{237}$$Np reaction

Vermeulen, M. J.; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Kean, K. R.; 牧井 宏之; Orlandi, R.; 塚田 和明; Tsekhanovich, I.*; Andreyev, A. N.; 石崎 翔馬*; et al.

Physical Review C, 102(5), p.054610_1 - 054610_11, 2020/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:51.79(Physics, Nuclear)

Fission fragment mass distributions for 23 nuclei ($$^{234-237}$$U, $$^{236-239}$$Np, $$^{238-241}$$Pu, $$^{240-243}$$Am, $$^{242-245}$$Cm, and $$^{244-246}$$Bk) were measured using the multi-nucleon transfer approach in the reaction of $$^{18}$$O+$$^{237}$$Np, and their excitation-energy dependence was obtained up to a maximum of 70 MeV. Among them, the low energy fission of $$^{236}$$Np, $$^{238}$$Pu, and $$^{245}$$Cm is reported for the first time. The experimental data for all the studied nuclei were compared to the Langevin calculations. The calculation which takes into account the effects of multi-chance fission well reproduced the peak-to-valley ratio and mass-asymmetric peak positions of the distributions. The angular momenta given to the fissioning nucleus is also discussed.

論文

First online operation of TRIGA-TRAP

Grund, J.*; 浅井 雅人; Blaum, K.*; Block, M.*; Chenmarev, S.*; D$"u$llmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Lohse, S.*; 永目 諭一郎*; Nagy, Sz.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 972, p.164013_1 - 164013_8, 2020/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:59.94(Instruments & Instrumentation)

ペニングトラップ型質量分析装置TRIGA-TRAPとTRIGA Mainz研究炉との結合に成功した。これにより、炉心近くに設置した$$^{235}$$U標的の中性子核分裂によって生成された短寿命核の高精度質量測定が可能となった。ターゲットチャンバから表面電離イオン源への短寿命核の効率的な輸送のためにエアロゾルガスジェットシステムを使用した。新規イオン光学系および改良型ビームモニタリングシステムを導入するとともに、実験装置のコミッショニングが終了した。表面イオン源の設計、実験装置の効率、および本装置を用いて得られた最初の結果を報告する。

論文

Organ absorbed dose estimation reflecting specific organ masses with simple scaling of reference doses using the organ masses

真辺 健太郎; 小山 修司*

Radiation Protection Dosimetry, 189(4), p.489 - 496, 2020/05

AA2019-0343.pdf:0.67MB

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.8(Environmental Sciences)

核医学検査における被ばく線量の最適化において正確な内部被ばく線量評価が求められる場合は、個人の特性を考慮することが必要である。そこで、本研究では、個人の臓器質量を反映した吸収線量評価を簡易的に実施するため、基準となる人体モデルに基づく吸収線量を個人の臓器質量によりスケーリングする手法を提案し、その実効性を$$^{rm 99m}$$Tcコロイドの静注投与及び$$^{123}$$I標識ヨウ化ナトリウムの経口投与に対する線量評価で検証した。$$^{rm 99m}$$Tc又は$$^{123}$$Iがよく集積する組織・臓器の吸収線量について本手法による評価値と詳細な解析に基づく評価値を比較したところ、赤色骨髄のように体内に広く分布する組織・臓器では誤差が大きかったものの、肝臓や脾臓、甲状腺のような実質臓器については精度よく評価できることが確認でき、本手法の実効性が示された。

論文

Effects of multichance fission on isotope dependence of fission fragment mass distributions at high energies

田中 翔也; 有友 嘉浩*; 宮本 裕也*; 廣瀬 健太郎; 西尾 勝久

Physical Review C, 100(6), p.064605_1 - 064605_6, 2019/12

 被引用回数:13 パーセンタイル:78.7(Physics, Nuclear)

散逸揺動定理を採用した動力学模型を使用し、$$^{234-240}$$U, $$^{236-242}$$Np, $$^{238-244}$$Pu ($$E^{*}$$=15-55MeV)という広い範囲の核種および励起エネルギーにおいて核分裂片質量分布の評価を行った。本研究の特色は、原子核が分裂へ至るまでに中性子を放出するという、マルチチャンス核分裂の概念を理論計算へ導入していることである。その結果、実験データを系統的に再現する計算結果を得られた。特に、励起エネルギーが高い領域においても核分裂片質量分布がふた山構造を維持する傾向や、原子核の初期状態(特に中性子数)に依存するという実験データの傾向を再現することに成功した。またこの傾向が、核分裂前の中性子放出確率を支配している複合核の中性子結合エネルギーと相関を持つことを示した。

論文

高速中性子直接問いかけ法を用いた核物質量のオンサイト測定

米田 政夫

ぶんせき, 2019(10), p.459 - 461, 2019/10

原子力施設の操業及び廃止措置時には核燃料物質を含む廃棄物が発生し、原子力事業者はそれら廃棄物に含まれる核燃料物質をオンサイトで計量する必要がある。主な計量の方法は放射線による非破壊測定であり、廃棄物が収納されたドラム缶を開封することなく実施される。また、廃棄物測定用途以外では、核セキュリティ分野等において核物質の非破壊測定が用いられている。核物質の非破壊定量法の分類として、パッシブ法とアクティブ法がある。パッシブ法とは、測定対象物に含まれる核物質等が自発的に崩壊する際に放出されるガンマ線や中性子を測定することにより核物質量を定量する手法である。それに対してアクティブ法とは、測定対象物の外部から中性子等を照射して反応を誘発し、放出される中性子又はガンマ線を測定して核物質量を定量する手法であり、特に中性子を計測する非破壊測定手法を「アクティブ中性子法」と呼んでいる。日本原子力研究開発機構(JAEA)の原子力基礎工学研究センター(NSEC)では、アクティブ中性子法の一つである「高速中性子直接問いかけ法(FNDI法: Fast Neutron Direct Interrogation)」を開発してきた。このFNDI法は、高感度で測定時間が短いというアクティブ中性子法が持つ特長に加え、パッシブ法で問題となる内容物の種類, 嵩密度, 不均一性、及び核物質の偏在の影響を受けにくいという特長も有することもあり、NSECにおいて廃棄物ドラム缶用の核燃料物質測定装置として実用化した。本稿ではアクティブ中性子法の測定原理及びその後の発展・実用化について紹介する。

論文

レーザーアブレーション試料導入法を用いた炭酸塩鉱物の局所年代測定

横山 立憲

Isotope News, (764), p.11 - 14, 2019/08

原子核崩壊による核種変化、または放射線による損傷を利用して岩石や化石試料の形成年代を測定する放射年代測定は、地球惑星科学の分野において、過去の自然事象を解明する際に広く用いられる。岩石・鉱物試料の中でも、炭酸塩鉱物の年代測定技術の開発は、近年急速に進みつつある。炭酸塩の年代測定は、例えば鍾乳石や蒸発岩及び鉱石の形成年代を知るために実施されてきたが、岩石の割れ目を充填するように存在する炭酸塩は、過去の地下水から沈殿して生成され、その年代情報は地下水流動経路の変遷の解読に繋がり、過去の断層運動の解明などにも大きく寄与すると期待される。炭酸塩が地下環境において、地下水から段階的に成長した場合、その内部には微細な累帯構造が形成されることがある。また、炭酸塩の起源となる水の微量元素組成が変化した場合、累帯間で微量元素組成に違いが生じうる。このような試料について分析を実施する場合に有効な局所分析手法の一つとして、レーザーアブレーション装置と誘導結合プラズマ質量分析装置を組み合わせたLA-ICP質量分析法がある。本稿では、LA-ICP質量分析法を用いた炭酸塩鉱物の年代測定技術の開発について紹介する。

論文

原子力分野における分光分析手法の紹介

日下 良二

分光研究, 67(6), p.239 - 240, 2018/12

本稿では原子力分野外の読者を対象に、日本原子力研究開発機構(JAEA)と量子科学技術研究開発機構(QST)の共同研究によって開発された分光分析手法を解説した。解説した手法は、使用済燃料に含まれる$$^{107}$$Pd同位体を、レーザー誘起光還元法と誘導プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いることによって定量分析することに成功した手法である。使用済燃料に含まれる放射性同位体の定量分析の重要性と、その分析の難しさや問題点を解説した上で、本手法の原理、利点、さらには、今後の応用について記述した。

論文

表面電離型質量分析計に用いられるフィラメントの表面状態のウラン同位体比測定に及ぼす影響

田口 茂郎; 宮内 啓成*; 堀籠 和志; 山本 昌彦; 久野 剛彦

分析化学, 67(11), p.681 - 686, 2018/11

表面電離型質量分析法において、フィラメント中の不純物を放出し、バックグラウンドの影響を最小限に抑えるために、脱ガスは重要な処理方法の1つである。本研究では、通電加熱処理によるタングステンフィラメントの表面変化が、ウラン同位体($$^{235}$$U/$$^{238}$$U)測定へ与える影響について調査した。その結果、タングステンフィラメントの通電加熱処理は、フィラメント表面を平滑にする効果があり、試料固着状態の改善効果もあることが判明した。さらに、これに伴い、ウラン同位体($$^{235}$$U/$$^{238}$$U)の測定精度も改善された。

論文

核不拡散・核セキュリティに利用される微量分析技術

江坂 文孝

ぶんせき, 2018(10), p.408 - 411, 2018/10

本報告では、核物質粒子の探知技術、質量分析を用いたウランやプルトニウムの同位体比分析技術、さらに精製年代測定技術などの最新の研究成果をデータを示しながら紹介する。これらの分析技術は、核不拡散のための微量分析技術に役立てられている。

論文

Rapid separation of zirconium using microvolume anion-exchange cartridge for $$^{93}$$Zr determination with isotope dilution ICP-MS

浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*

Talanta, 185, p.98 - 105, 2018/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:31.52(Chemistry, Analytical)

放射性廃棄物処分場における長寿命核分裂生成物(LLFP)の被ばくリスクを評価するためには、LLFPの分析が不可欠である。本研究では、マイクロ陰イオン交換カートリッジ(TEDAカートリッジ)を用い使用済燃料溶解液からZrを分離してLLFPの一つである$$^{93}$$Zrの存在量をICP-MSで定量した。TEDAカートリッジは、同等の分離に必要な従来分離材料(陰イオン交換樹脂)の1/10以下の体積(0.08cm$$^{3}$$)であっても優れたZr分離性能を維持し、使用済燃料中のほぼ全ての共存元素を迅速に除去できることを確認した。また、従来材料の約10倍の流速で処理が可能であるため、1.2分で分離が完了した。得られた$$^{93}$$Zr定量値は、実測値による検証実績がなかった燃焼計算コードORIGEN2の正しさを実証する結果となり、ORIGEN2の信頼性も確認できた。

論文

Model calculation of Cr dissolution behavior of ODS ferritic steel in high-temperature flowing sodium environment

大塚 智史; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 矢野 康英; 加藤 章一; 古川 智弘; 皆藤 威二

Journal of Nuclear Materials, 505, p.44 - 53, 2018/07

AA2017-0603.pdf:1.7MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.74(Materials Science, Multidisciplinary)

高温流動Na中での燃料被覆管からのCr溶出挙動に及ぼす各種試験パラメータ(Na中溶存Cr濃度、試験温度、軸方向温度勾配、Na流速)の影響を系統的に把握するための計算モデルを構築し、数値計算を行った。Cr溶出挙動が液体Na中の溶存Cr濃度の微量の変化に大きく影響される計算結果を得た。Na中のCr濃度は、Na冷却高速炉(SFR)内における燃料被覆管からのCr溶出挙動の予測・制御のため、注目すべき重要なパラメータであると考えられる。Na中溶存Cr濃度を0.07wtppmmとした場合の本モデル計算で得たODS鋼被覆管肉厚方向のCr濃度プロファイルは、BOR-60照射試験データとよく一致した。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,3; 核分裂データの最前線; 実験と理論

西尾 勝久; 千葉 敏*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 59(12), p.717 - 721, 2017/12

核分裂は原子力エネルギー利用の基礎となる現象であるが、その複雑さのため質および量ともに限られた実験データを現象論によって記述し、核データとして利用されるにとどまっていた。近年、新規の実験技術確立に加え高性能計算機を活かした理論計算に大きな進展があったので、最新成果を見ながら議論する。

論文

Four-dimensional Langevin approach to low-energy nuclear fission of $$^{236}$$U

石塚 知香子*; Usang, M. D.*; Ivanyuk, F. A.*; Maruhn, J. A.*; 西尾 勝久; 千葉 敏

Physical Review C, 96(6), p.064616_1 - 064616_9, 2017/12

 被引用回数:60 パーセンタイル:97.54(Physics, Nuclear)

We developed a four-dimensional (4D) Langevin model, which can treat the deformation of each fragment independently and applied it to low-energy fission of $$^{236}$$U, the compound system of the reaction n + $$^{235}$$U. The potential energy is calculated with the deformed two-center Woods-Saxon (TCWS) and the Nilsson-type potential with the microscopic energy corrections following the Strutinsky method and BCS pairing. The transport coefficients are calculated by macroscopic prescriptions. It turned out that the deformation for the light and heavy fragments behaves differently, showing a sawtooth structure similar to that of the neutron multiplicities of the individual fragments $$nu$$(A). Furthermore, the measured total kinetic energy TKE(A) and its standard deviation are reproduced fairly well by the 4D Langevin model based on the TCWS potential in addition to the fission fragment mass distributions. The developed model allows a multi-parametric correlation analysis among, e.g., the three key fission observables, mass, TKE, and neutron multiplicity, which should be essential to elucidate several longstanding open problems in fission such as the sharing of the excitation energy between the fragments.

論文

Chemical state and isotope ratio analysis of individual uranium particles by a combination of micro-Raman spectroscopy and secondary ion mass spectrometry

蓬田 匠; 江坂 文孝; 間柄 正明

Analytical Methods, 9(44), p.6261 - 6266, 2017/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:55.41(Chemistry, Analytical)

本研究では、単一ウラン微粒子の化学状態と同位体比を、顕微ラマン分光分析および二次イオン質量分析の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。電子顕微鏡-X線検出によりウラン微粒子を特定し、マイクロマニピュレータを用いてウラン微粒子を単体分離した。顕微ラマン測定時のレーザーパワーの最適化により、1から5$$mu$$mの大きさのウラン微粒子のラマンスペクトルの取得が可能になり、得られたラマンスペクトルの形状からU$$_{3}$$O$$_{8}$$とUO$$_{2}$$の化学形が判別できた。また、ラマン分光分析を非破壊で行うことで、化学状態分析後の微粒子に対してSIMSによる同位体比分析を行うことができた。したがって、顕微ラマン分光分析とSIMSの併用は、個々のウラン微粒子の化学状態と同位体比分析に有効であることが示された。

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